高血圧症治療の不都合な真実

血圧は、脳が必要としている酸素や栄養素を適切に供給するためにの血流量を確保するために制御されています。

 

年齢とともに、動脈硬化が進むので、これに応じて血圧を上げていかなければ、脳が栄養エネルギーを賄えなくなり、神経細胞の機能を維持できなくなります。

井上正康先生(注)の学生の頃は、正常な血圧値は年齢+90と教えられていました。高齢者の血圧を下げすぎると、脳に悪影響がでることから、我が国のガイドラインでも高圧目標として70代で160/90、80代で170/90mmHg程度を目安にするのがよいとされていました。

これに対して、日本血圧学会では、欧米のガイドラインに合わせ、いつの間にか年齢に関係なく中壮年と同じく、140/90mmHgに維持すべきと基準値を変えてしまいました。このため、1990年代には230万人であった高血圧患者は、一夜にして1600万人、2006年には130mmHgに引き下げられ、3700万人となり、2011年には、可能な限り、120/85mmHgに近づけるようにと指導した結果、日本の降圧剤服用患者は、5500まで膨れ上がっております。日本の人口が1.3億人であることから、日本の大半の高齢者が高血圧患者であります。

 

現在、世界の人口は73億人であり、日本人は1.8%であります。このわずかな人口が世界の全医療の

品の40%を消費し、降圧剤は60%も服用しているのであります。以下略

 

医療費が国家予算を圧迫しているという現実がある一方で、このようなことがあるなんて残念に思います。

私がかって太極拳を教わっていた師匠は看護師さんでした。「自分の健康は自分で守る」とよく言われておりました。

注: 井上正康先生 健康科学研究所所長・大阪市立大学名誉教授

本稿については、井上正康著『医者いらす(健康長寿処方箋43』月刊東洋療法20178.1,280 P.5から抜粋させていただきました。

 

 

 

 

 

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